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法華経の詩

法華経の詩(90)

見宝塔品 第十一(2)

多くの人びとが集まった中に
七宝(しちほう)の塔が
地より涌(わ)き出て
空中にそそりたったとき

偉大なる志を持つ求法者としての
大楽説(だいぎょうせつ)菩薩が
すべての者たちがこの七宝の塔を見て

なぜこのような塔が出て来たのかを
疑問に思うのを察して仏なる世尊に 尋ねた

仏世尊よ
どのようなわけで 因縁で
このような巨大な宝塔が
この世に現れ出たのか

また あのような大きな声で
「よくぞ 法華経を語られた」と
宝塔から 声を響かせたのでしょうか

仏世尊は 語る
この大きな宝塔の中に
他方に別れた如来の分身を
集めて一つにした
如来の本体なる全身が 安置されている
ゆえに これは如来の塔であり
かの如来が 声を轟(とどろ)かせたのだ

昔 限りなく遠い世界に
宝浄(ほうじょう)という国があった
その国に多宝(たほう)という如来がいて
その仏が菩薩の道を歩んでいるとき

もし私が仏となって滅度(めつど)し
どこかの国で「法華経」を説く所があったなら
この経を聞くために 塔を地より涌き出させて
素晴らしいことだと言おうという
誓願をたてたのだ

ゆえに この宝塔は多宝如来の塔であり
「法華経」を聞くために 地から涌き出たのだ