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ことわざ雑考(24)

猫に念仏 馬に銭

今月のことわざは「猫に念仏 馬に銭」です。
{『ことわざ・名言辞典』(創元社)を参考}

意味は、
「少しもありがたがらず、何も感じないことのたとえ」
とあります。

念仏もお金も大事なものなのですが、
猫も馬も、その価値を知らず、ありがたいと思わないのです。

私たちには関係のないことわざと思いがちですが、
「すみません」と言わなくてはならないのに、無視して言わない。
ここは「ありがとうございます」と言うべきなのに、
当然のように振る舞う。
これらも、このことわざに当てはまるような気がします。

あるいは今聞いてあげなくてはならないのに、
聞いてあげず、自分の考えのみを言う。
これも大切なものが何かを知らないといえます。

こんな話が
『世界でたったひとりの自分を大切にする』(鈴木秀子 文響社)
に載っていました。

子どもが学校に行きたがらないと、
鈴木さんのところに、あるお母さんが相談にきました。

そこで鈴木さんはお子さんと2人にしてもらい、
まず、その子に語りかけました、
「学校に行きたくないんだよね」と。

するとその子は
「うん、だって・・・」
「だって?」
「お弁当の時間になると、みんながからかうんだ」
「みんながからかうのが、それがいやなんだね」
「だって、ぼくのお弁当はお姉ちゃんのお古で、
 赤い花がついているから、女弁当だ、女弁当だって、
 みんなに笑われるんだ」
「じゃあ、お弁当箱かえればいい?」
「うん変えればいい」

お母さんと事情を話し、
「お子さんの好きな弁当箱を買ってあげてください。
 できれば毎日いいお弁当を持たせてあげるといいですよ」
と伝えると、問題はたちどころに解決してしまったのです。

そして
「なぜ行きたくないの」
「誰かにいじめられたの」と、お子さんに質問しがちですが、
まず、「行きたくないのね」と聞いてあげる。
これが大事であると、書いています。
まず、聞いてあげる。それがこの子にとってありがたいことなのです。

「懴悔(さんげ)和讃」というお経の中に
無常と聞けども上の空 地獄と聞けども驚かず
 花の都のお浄土と 聞けども喜ぶ心なし

とあります。

みな大切な生き方なのですが、
「馬の銭」の如く、大事なことを知らず、
日々安楽に暮らしてしまうのが、私たちかもしれません。
何が生きるうえで大切なのかを、いつも気にかけていることです。

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