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みにミニ法話

(282)「繁栄の心」

5月は緑が鮮やかです。
冬には枯れ木であった木々に緑があふれ出てきます。
何もなかった枯れ野の大地から、草や花々が一斉に芽を出し、
あたりが緑や、さまざまな花の色に染められます。

いつも思うことですが、どこからそんな力が出てくるのでしょう。
繁栄する息吹をひしひしと感じるのです。

その繁栄のひとつの基(もとい)は、暖かさでしょう。
その暖かさに感応して、緑があふれ出てくるのです。
やがて実のなるものは、秋に収穫され、
それによって多くの生き物や私たちが、食に困らず、
生きぬいていくことができます。

私たちの日々の生活の中で、この繁栄の息吹をいただくために、
どんな心がけが必要なのでしょう。

大地には暖かさでした。
私たちの心には、積極的な思いやプラスを常に考える
あたたかな思いであると考えられます。

「私は必ず繁栄していく」
そんな前向きな思いや、いつも自分や人をあたたかな眼差しで見ていく。
そんな生き方の中に、繁栄がやってきます。

自分は、繁栄する力を持っている。
だからそのために努力を惜しまないと思う。
そして相手にはあたたかな眼差しを投げかけ、あなたのお蔭で支えられ、
この繁栄を得ることができたと、感謝の思いを投げかけていきます。

さらには大地の芽吹きの底には、大いなる力が隠されています。
それは大地の「栄よ」という思いであり、太陽の光が降り注ぎながら、
「伸びよ、繁栄せよ」という光の思いであると思われます。

この宇宙には、無限の繁栄する力があると言われています。
その思いを素直な気持ちで受け取っているのが、木々の緑であり、
野辺に咲く花たちかもしれません。

私たちも素直な思いで、繁栄を願う大いなる存在を信じ、
その存在の力を受けとめ、それを自らの努力によって、
この世に形として表していくのです。

そのための注意点は、自らの力に溺れず、常に謙虚で、
大いなる存在に感謝の念を持ちながら、自らが勝ち得た繁栄の姿を、
他の人の繁栄のために使っていく。
その生きる方向性が、さらなる繁栄を築いていくのです。