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みにミニ法話

(258)「爽やかな生き方」

5月になると、緑があふれ、木々の中から、5月の風が吹いてきます。
その風は爽やかで、その風に吹かれて嫌な思いは決してしません。
風に吹かれて、心の汚れも取れて、幸せな気持ちになります。

それはなぜでしょう。

その風に、我という独りよがりの思いがなく、
見返りを求めない、優しさがあふれているからだ思います。
そんな風を、私たちは爽やかに感じられます。

ですから、爽やかに生きるためには、
この風のように、生きることだと教えられます。
独りよがりな我を捨て、見返りを求めない、
与えきりの優しさを吹かせていけばよいわけです。

「父」という投書があります。
長野県の上田市に住む女性の方のものです。

「父」

父が86才で亡くなって2年ほど経ちました。

途中から目が不自由になりましたが、
亡くなるその日まで田畑に出て、黙々と仕事をしていました。

最近になり、こんなに沢山のことを毎日こなしていたんだと、
私たちが手分けして精一杯の仕事の多さに改めて驚かされます。

片方の目は見えず、片方の視力は低い父に、
「どうやって分かるの?」と聞くと、
「今までの勘で分かるさ」と草刈りをし、田をおこし、
米の精米、鎌や包丁の研ぎまでやっていました。

ことあるごとに、主人と、「おやじさんは偉かったな」と感心し、
心の中でお礼をいう毎日です。

私にも、その遺伝子があるのかと、チョット誇らしく思うほどです。
大切なものを教えてもらった気がします。

(喜びのタネまき新聞 No.0495)

こんな投書です。

86才で亡くなるまで田畑の仕事をしていたおじいさん。
目が不自由なのに、愚痴をこぼしたという所はでてきません。
目が見えなくても、みんなのために田を作り、お米を収穫して、
家族のために一生懸命働きました。

我を捨てた爽やかな生き方を思います。
ですから娘さんが、感謝の思いをお父さんに投げかけています。

尊い生き方を学ばさせていただく生き方です。
爽やかな風を感じます。