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みにミニ法話

(257)「まず一歩を踏み出す」

私たちはみなこの世に生まれて、今この現代を生きています。

この世に生まれる真実は、この世に偶然に生まれてきたのでなく、
みな、別次元の世界から、一歩を踏み出して生まれてきました。

生まれたくない人は、よほどの理由がない限り、
生まれては来ないと思われます。

生まれる時には、何らかの目的をもち、
「よし生まれるぞ」とみな思って生まれてきました。

人はみなその積極的な思いを忘れて、
赤ちゃんから一歩一歩、努力して大人になっていきます。

しかし生まれてくる前の、
一歩を踏み出して生きるという思いが潜在意識のなかにあって、
その思いがこの世では「人として、何かをしなければ」
という思いになっているのです。

この「何かをしなければ」という思いに、
素直に従って一歩を踏み出し生きることが、
人生を充実させる大切な方法です。

私自身、この何かを見つけたのは30代のときです。
それまで、何かをしなくてはならないという思いが強くあって、
「これもしているけれど、そうではない、
 あれもしているけれど、これでもない」
という、そんな迷える時期がありました。

しかし、「ああこれを押し進めていけばいいのだ」という、
自分のしなくてはならないことを発見したとき、
魂と心と身体と志が一体となって、
ずいぶんぶれない生き方ができるようになりました。

この思いは、決して今回の生だけのものではありません。
何か生まれる前からの、一歩を踏み出すという思いから
きっときていると確信しています。

ですから、今は迷いなく、
自分のなすべきことを一歩一歩進めることができています。
それは遅々としていて、しかも未熟な生き方ではありますが、
おかげで、心に迷いがなく、ぶれることはありません。

「何かをしなければ」という思いをもう一度確認し、
その思いを発見し、その道を一歩一歩、歩んでいるかを自らに問うてみて、
再度一歩を踏み出してみてください。

心に迷いのない一歩は、幸せへの一歩なのです。
たとえ、その道が険しくても、支えてくださる方々が、きっと助けてくれます。