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みにミニ法話

(246)「迷わない」

人は人生の中で、迷わないということはありません。

迷いながら人生を生きていき、
そのために苦しんだり悩んだりして、
出会った事ごとを、なんとか耐え忍び、解決していきます。

なかには迷い、迷って、どうすることもできず、
いつまでも立ち上がれないこともあります。

迷っているとき、一番考えられることは、
自分のことしか考えていないということです。

自分のことしか考えないときは、
あたかも壺の中に入っている状態で、
自分以外のことが見えないのです。
ですから、まわりが暗く見え、
どうしたらよいか分からなくなるのです。

そんなとき、その壺を出る1つの方法が、
相手のことを考えるということなのです。

自分のことばかり考えるのでなく、相手の気持ちを少し察してあげる。
そんな思いが暗い壺からでる方法でもあります。

相手の気持ちを察するというのは、
あたかも壺の頭上から、光の糸が降りてくる、そんな感じです。
その光の糸を昇っていけば、外にでられ、
迷いから脱することができるのです。

また迷いは、どうしてよいか分からないところからきていますから、
日々、迷わない方法を学んでおくことが大事になります。

たとえば、道に迷ったとき、
北極星を見て、自分の位置を確認し、
迷った道から出ることができます。
その北極星にあたるのが、教えです。

教えはどう生きればよいかを、お釈迦様が示してくださったものです。
その教えをあらかじめ学び、それを応用できるように、
普段から学んでおくことです。

教えの中に
「我欲を取り去り、相手の気持ちを察して慈しみの心を大切にする」
というのがあります。

我欲とは自分のことばかり考えやすいことをいいます。
我欲が困難を引き寄せ、そして迷いの道に入らせて、
そこから出られないようにさせるのです。

そんなときには、慈しみの心に目覚め、
その思いを高めていくと、迷いから抜け出すことができます。

これは1つの方法ですが、
たくさんの生き方があるように、たくさんの教えがあります。
日々そんな教えを学び、迷いを教えによって脱していけるよう、
普段の学びの大切を知っていましょう。