ホーム > 法愛 4月号 > みにミニ法話

みにミニ法話

(150)「前向きな人生」

昨年の3月11日、東日本大震災があり、
その中でも津波の被害が大きく、そのために亡くなられた方がたくさんおられます。

いまだに行方不明の方も大勢いらっしゃって、
小川小学校で行方が分からない子を、いまも探しているお母さんもいると聞きます。

この震災でたくさんのドラマがあり、
悲しみや苦しみ、また励ましの姿を見るにつけ、
教えていただく教訓は数え切れないほどです。

阪神淡路大震災のときもこんなことがありました。
被災して住む場所もなくなってしまった老女が、配給されたパンをいただきながら、
取材にきた人に言っていた言葉を思い返します。

それは「私は物を失ったけれど、心を拾いました」という言葉です。

住む家もなくなってしまったのに、こう言えたのは、
前向きに物事を考えられる証拠です。

いつまでも地震でなくなってしまったものに執着して、
「苦しい、助けてくれ」とばかり叫んでいるよりも、
「心を拾った」から頑張る、と思ったほうが、人は早く立ち直っていけるのです。

自分が不利に立たされれば立たされるほど、物事を前向きに
「私はできる。どんな苦難も乗り越えられる」と考えていくいことが大事になります。

前向きに考える根底には、人には無限の力があるからです。
無限といっても、ビルを丸ごと破壊する力があるというような力ではなく、
それぞれに与えられた人生の問題や苦しみを、必ず解決できるという力が、
誰にも備わっているということです。

ですから、自分がもう頑張れないと思ったとき、
静かにもうしばらく踏みとどまってみようという精神が必要で、
その精神がやがて道を開いていくのです。

具体的な前向きの人生の方法は、笑顔を絶やさないということです。

笑顔は自らをほがらかにさせるばかりでなく、まわりの人も幸せにしていきます。
笑顔は心にある否定的な思いをなくし、明るい心を開いていってくれます。

朝起きたときに、鏡を見て笑ってください。
不思議なことですが、自分の笑顔を見て自分が癒されるのです。

笑顔の力を人生の中で充分に使うべきです。
必ず前向きな人生が開けてくることでしょう。