ホーム > 法愛 4月号 > 法華経の詩

法華経の詩

法華経の詩(111)

安楽行品 第十四(4)

仏 世尊は 文殊に
仏が入滅した後の 教えの説き方を伝授した

文殊よ
清らかな快適な場所に
高い座をしつらえ
その座に安楽に坐って
安らかな気持ちで教えを説くのだ

すぐれた染料で染め上げた
赤い衣をまとい
金細工を散りばめた足台の座に坐り
僧や尼僧には
多くの楽しい物語を語れ

男たちの信者や女性たちの信者に
さらに 王や王子たちを敵視することなく
内容豊かな面白い話をせよ
質問を受けた時には
質問者にふさわしい意味を
教え示すべきである
それを聴いた聴聞者が
「さとり」を得るように
その意味の生じる所以を示せ

周囲の人びとに慈しみの心を抱き
たくさんの例話を用いて
夜となく昼となく 最高の教えを説け

集まった会衆(えしゅう)を満足させ
いかなる要求もないようにしせよ
そして食べ物など
何も乞い願ってはならない

聡明な法華経を伝える人は
「私は仏になりたい
聴く会衆の人たちも同じである
すべての人びとの
安楽のもととなる正しい教えを
この世における幸福のために私は説こう」
そう考えるのだ