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法華経の詩

法華経の詩(80)

授学・無学人記品 第九(2)

さて ここに集った中に
新たに仏道に入った 八千人の求法者がいた
かれらは こう考えた

このように勝(すぐ)れた予言は
今までなされたことはなく
私たちも聞いたことがない
それにもかかわらず 弟子たちに対して
このような予言をなされたのは
仏に どのような原因があり
因縁があるのであろうか

仏 世尊は
これらの思いを直観してとらえ
これらの求法者に語った

もろもろの善なる者たちよ
わたしと阿難(あなん)の場合は
空王仏(くおうぶつ)という如来の前で
この上なく完全な「さとり」を成し遂げようと
全く同じ瞬間に思い立った

阿難は
いつも絶えず多くを聞くことに専念していた
私は不惜身命の思いで
勇気を出し 智慧を培い
完全な「さとり」を成し遂げようと努力し
その結果 非常に早く「さとり」に至った

しかし阿難は
仏の正しい教えを 護持する者となった
それは 求法者たちを
完全な「さとり」の境地に導くためであり
阿難の請願でもあったのだ 

阿難は 自らの予言を聞き
前世における請願を思い出し
阿難自身 仏の教えに一切の疑念もなく
方便をもって仏の侍者となり
仏の説く法を護持しようと
改めて強く思った