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法華経の詩

法華経の詩(11)

序品 第一(11)

文殊は弥勒に さらに語る

日月燈明如来(にちがつとうみょうにょらい)が
まだ太子であったころ 八人の息子があった
息子たちには偉大な神通力があった
かれらは 父が出家し
この上なく完全な悟りに至り
教えを説く仏となったとき
八人の子は
父なる仏に随い出家して 教えを聞き
悟りを開いて 多くの善根を植えた

やがて 仏は偉大な教えをとき終わって
その後 坐を組み 静かな瞑想に入った

しばらくして
仏の眉間(みけん)から一条の光が放たれた
その光は 今私たちが見たと同じような
とても不思議な 霊的世界を現わした
そこにいた多くの者が驚嘆し また大いに喜んだ
そのとき 仏の教えの坐に
妙光菩薩(みょうこうぼさつ)がいた
その妙光菩薩には 八百人の弟子がいた
仏は瞑想から立ちあがり
妙光菩薩をはじめとして 集った者たちに
『正しい教えの白い蓮』である
『妙法蓮華経』(みょうほうれんげきょう)を説いた

仏は求道者を戒め すべての悟れる者が持つ
最高の経典である
この『妙法蓮華経』を説いたのち
今夜の真夜中に
無余涅槃(むよねはん)の境地に入ることを 宣言した

この肉体を持ちながら
心に安らぎ満ち 完全な悟りを開くことを
有余涅槃(うよねはん)という
心と肉体をともに滅して 完全な悟りをえ 
この世を去り 安らぎの園に昇ること
それを入滅といい あるいは無余涅槃という