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扉の詩

(212)「苦労の中に」

涙とともに
パンを
食べた者でなければ
人生はわからない

そうゲーテが
言葉を残している

どん底に落ちて
生きようとする
立ち上がろうとする

そんなときに
誰かが
やさしく手を引く

支えてくれる
人の手を
ありがたく握りしめ
涙して立ち上がる

人生は一人では
生きられない

だからパンを得て
どん底を脱したなら
今度は
同じ境遇の人に
パンを差しのべる

苦労の中に
人生の意味が見えてくる