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しきたり雑考(32)

神社での作法

今月は「神社での作法」についてお話し致します。

神社にお参りする作法ですが、
身近なことなので多くの方が知っていると思われますので、
簡単にお話し致します。

まず、鳥居をくぐる時に、そこをくぐる前に一礼します。
参道は中央を歩きません。
そこは神様がお通りになるからです。

以前、友人から写真を見せてもらったことがありますが、
その写真には、神社の本殿に至る中央の道が光っているのです。
きっと神様が歩いた道だと友人は語っていましたが、そんなこともあるのです。

境内に入ったら浄(きよ)めをします。
手水屋(てみずや)で、
右手に柄杓(ひしゃく)を取って左手に水をかけ、
次に柄杓を持ちかえ、右手を洗います。
そしてもう一度右手に柄杓も持ちかえて、
左手に水を取り、口をすすぎます。
柄杓に直接口をあてる人を見かけましたが、礼のないことだと思われます。

この浄めが住んだら、
中央を避け左側を静かに歩いて、神前へと向かいます。
そして本殿の前に立って、軽く一礼します。

鈴がある場合は、賽銭箱にお賽銭(さいせん)を入れる前に、
その鈴を鳴らします。
これは神様への合図だそうです。

以前にも書きましたが、賽銭を投げることで、
自分の日頃の心の汚れをそのお金に託して、
神様に取ってもらう意味があります。

それから、礼拝をします。
一般には「二礼二拍手一礼」です。
伊勢にお参りしたときに、下宮(げぐう)の「せんぐう館」で、
お参り作法のビデオを流していました。
その時、軽く一礼してから、正式なお参りをし、
すんだら、もう一度軽く一礼するという作法でした。

この二礼の意味ですが、
尊い奇数でなく、偶数であることで、
神々でなく人間が祈りに来たことを表しているといいます。
さらには拍手することで、邪を祓う、そんな意味もあるようです。

願い事ですが、二拍手してから、手を合わせたまま、お願いをします。
本来の参拝では「どうぞお導きください」とだけ念じるとされているようです。
神様に願い事をするなど畏れ多いという意味でしょうか。
それが終わって、最後に一礼し、再び軽く礼をして参拝を終えます。

そして中央を避け、左側を通って鳥居につき、
鳥居を出てから、もう一度本殿に向かって軽く一礼します。
神様は礼節を重んじますから、心してお参りすることが大切ですね。

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