仏事の心構え(127)
仏像の見方について 7 如来5
今回は如来の5回目で「阿弥陀如来」のお話を致します。
阿弥陀如来はサンスクリット語でアミターユス
あるいはアミターバという名前を持っています。
前者が無量寿仏(むりょうじゅぶつ)で無限の寿命を持っているという意味、
後者が無量光仏(むりょうこうぶつ)で無限の光を持っているという意味になります。
そして両者に共通する「アミタ」を「阿弥陀」と音写したようです。
阿弥陀如来は私たちの住むこの娑婆(しゃば)世界から
10万億土の彼方にある西方の極楽浄土にいて、
今でもそこで教えを説いていらっしゃいます。
そして阿弥陀如来を心から信仰し「南無阿弥陀仏」と唱えると、
亡くなったときには、救いにきてくれ、極楽浄土へ導いてくれるとされています。
来迎(らいごう)といって極楽から迎えに来るときには、
脇仏に観音菩薩と勢至菩薩を従え、観音様は手には金蓮台を持っていらっしゃって、
そこに亡き人のみ霊(たま)を乗せ、極楽浄土へ導いてくれるというのです。
阿弥陀如来の印相
上品上生 | 中品上生(上品中生) | 下品上生(上品下生) |
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阿弥陀如来の特徴は、ほとんど釈迦如来と同じ姿をしていますが、
見分け方は「印」の違いにあります。
阿弥陀如来の代表的な印は「弥陀の定印(じょういん)」といって、
上図の一番左の形になります。
阿弥陀如来の印は9種類ありますが、大きく3つに分ければ、
上品(じょうぼん)と中品(ちゅうぼん)と下品(げぼん)になります。
人々の信仰心の深さと学びの深さによって、
違った印をした阿弥陀様が救ってくださるわけです。
ちなみに宝冠阿弥陀如来もいらっしゃって、頭に宝冠を付けている阿弥陀如来です。
近くでは飯島町の西岸寺様の本尊様が、この宝冠阿弥陀如来です。
宝冠(ほうかん)の意味は、
普通の阿弥陀如来の数倍の力がるという意味だそうです。