仏事の心構え(125)
仏像の見方について 5 如来3
如来の3回目です。今月は「印(いん)」についてお話をしたいと思います。
印というのを難しく言い表すと、
印契(いんげい)とか印相(いんぞう)と言います。
これは手の組み方によって、如来の働きを表すのです。
どんな如来なのかを見分けるために、この印を見ると、
比較的簡単に見分けることができます。
ですから、印を覚えてしまえばいいのです。
特に同じに見えるのが釈迦如来の法界定印(ほっかいじょういん・単に定印ともいう・1図)と阿弥陀如来の上品上生印(じょうぼんじょうしょういん・5図)でしょう。
ここでは、釈迦如来の代表的な印を学んでみたいと思います。
法界定印(釈迦如来)
まず1図の法界定印は坐禅瞑想に入った時の姿を表しています。
内なる世界を見つめ、それが大いなる世界に通じていることを知るのです。
上品上生印(阿弥陀如来)
説法印
2図は説法印です。説法をしたときの印です。
この印をしていれば、説法をなさっているのだと分かります。
施無畏印・与願印
3図は右手が施無畏印(せむいいん)で、
左手が与願印(よがんいん)です。
この形が結構多いと思います。
施無畏印は人々の恐れをなくし、
与願印は願いをかなえてあげる意味があります。
降魔印
もう一つ、4図は降魔印(ごうまいん)です。
この印は右手の人差し指を地につける形で、
悪魔を退散させる印です。
印によって、さまざまな働きを表しているのです。
この印についてはそれぞれの如来の働きの所で学んでいこうと思います。