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仏事の心構え(88)

お墓 5

今月も「お墓」についてのお話を致します。今回で5回目になります。

永代供養墓ですが、その前に「永代供養」についてお話し致します。 永代供養というのは、子ども達がいなくて、自分の代で子孫が絶えてしまい、自分が亡くなってから誰も供養をしてくれないとき、お寺さんに自分の死後の供養をお任せすることをいいます。

子孫がいて、親の面倒をちゃんと看てくださる孝行な子孫であれば、ちゃんと毎日お水をあげて手を合わせ、年忌やお盆の供養などもお寺さんを頼んで供養し続けてくれるでしょう。 その場合は、自分の家で永代供養をしていることになります。

そんな子孫がいなければ、誰も死後の供養をしてくれず無縁仏になってしまうので、お寺さん供養を頼むわけです。 その供養の方法やお布施の額はお寺さんによって違いますから、亡くなる前に菩提寺に相談し、手続きを済ませておくことをお勧めします。

亡くなってから兄弟や遠い親戚が永代供養の面倒をみなければならないときには、財産などで、必ずもめることになります。 残した財産が少なくても、大きくても、手続きに混乱が生じ、もめないことはありません。

これが永代供養の簡単な説明ですが、この場合、永代供養はよいがお墓はどうしようかという問題が出てきます。 誰も後のお墓の管理をしてくれないとか、お墓もなくて新たに造っても守っていけない。そんな場合が出てきます。そのときのために永代供養墓があります。

お骨を個別に管理する場合とお骨を他の人と一緒にして供養する場合があります。 お墓を造らないというメリットがあったり、永代の供養もしてくださるということで、現在このケースが増えているようです。 そんな永代供養墓を持つ寺院も増えているようで、希望する方は早めに菩提寺と相談されるとよいでしょう。

供養の方式やお布施の額なども確かめ、生前に契約をすませ、費用もあらかじめ納めておき、 後は、どう残された日々を、心の苛立ちをしずめ、信心深く、安らかに送ることを考え、生きていったほうが、賢い生き方であると思われます。