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仏事の心構え(85)

お墓 2

今月は「お墓」について、2回目のお話を致します。

お釈迦様は次の4つの人には塔(お墓)を建ててお参りすべきであると説いています。

1番目は修行完成者が亡くなったときには塔を建てるべきであるといいます。なぜならば、その塔の前に行きお参りすると、その修行完成者の生前の徳によって心が清まり、死後、身体を離れてのち、善いところ、天の世界に生まれるからだと教えています。

2番目は独りでさとりを開いた人です。その人の塔の前で拝むと、1番目の修行完成者と同ように功徳が得られ、死後、天の世界へ生まれることができるといいます。

3番目に修行完成者の教えを聞いて実行してきた人です。お参りする功徳は1番目と同じです。この人は生前よく仏の教えを信じ、それを行って生きてきた人です。その人のために塔を建てて、礼拝しなさいと教えています。

4番目は世界を支配する帝王です。現在はこのような言い方をしませんが、国を正しく動かし多くの人の幸せを培ってきた人々をいうのでしょう。そういう人のために、塔を建ててお参りしなさい、といいます。

現在はだいたいの方が亡くなるとお墓を建ててもらい、お参りをしていただきますが、前述した4つの条件に入ってお墓を建ててもらう方はまれでしょう。

一般の人がこの4つの条件の中で入れるのは、3番目の修行完成者の教えを聞いて実行してきた場合です。

仏縁で仏陀の教えを聞き、その教えに感動して私もそうありたいと努力する。その生前の真摯な姿をみて、残された子孫の方々が、お墓にお参りすると、亡き方の生前の徳をいただけて、心が清らかになる。これが墓参の基本的なあり方です。

できることならば、生きているうちに仏陀の教えを頂戴して、それを実行し、徳ある人になることがお墓を建てていただく条件であることを知っていましょう。