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仏事の心構え(82)

四十九日忌法要


今月は「四十九日忌法要」についてお話しいたします。

なぜ四十九日の法要が必要なのでしょう。

みなさんがやるから私の家でもやろう、という考えでは、法要の力も薄れてしまいます。 人は亡くなると中有(ちゅうう)といって、この世とあの世の境に生まれます。
そこで、故人があの世に逝く前に、生前おかした罪や過ちを反省し、心を清らかにするのです。

浮かばれるという言葉がありますが、それは故人が「この世にもう未練はない」と悟り、また心が清浄になった状態をいいます。 清浄なので心が軽くなり、天に浮かび上がっていくことができるわけです。そんな心(仏の心)を得て、亡き方は光ある浄土の世界へ昇っていくことができるわけです。

この四十九日の間に、故人がそのような精進(努力・修行)を積んでいるために、
生きている私たちも故人の徳をたたえてあげながら、成仏を願い、お経をあげます。 そして香を焚き、花を献じ、お膳をお供えして供養するのです。

四十九日を司る仏様は「阿弥陀如来」様です。 阿弥陀様は、多くの菩薩様を伴い、それらの菩薩様が、 太鼓をたたき、笛を吹き、箏を奏でながら、紫の雲に乗り、
天から降りたち、亡き方の手を取って光ある世界へ導いてくださるといいます。

この大前提には、仏様を信じる心がなくてはなりません。

見えないところでいつも私達を見守り支えてくださっているみ仏様に、故人がみ仏様の力で、救われていくようにお祈りしてあげるのです。

故人の信仰心がここでは大切なのですが、祈る方の深い信仰心も大切で、その信仰の力とお経の力でで、阿弥陀様を故人の御霊(みたま)にお導きできるのです。

私達の真なる幸せは、死んで後、あの世のあたたかで花の咲く世界へ帰ることで完結するのである」と、祖師方は教えています。

できることならば、生きている時に、信仰心を深く持ち、常に心清らかである生き方を心がけていることが、亡くなって後、速やかに光の世界へ帰る方法であると知っていましょう。