今月のことわざは「えせ武士の刀いじり」です。
「ことわざ・名言辞典」(創元社)
えせ武士というのは、武士にあるまじき行いをするということ。
くだらない臆病武士にかぎって、何かというと、すぐに刀を振り回し、
人びとをおびやかす、という意味。
武道でも、少しその武(ぶ・武の道とはいわない)をかじった者が、
強くなったと思い、偉そうなことをいう。そんな場合にも、
このことわざはあてはまるかもしれません。
精神的には、傲慢であったり、おもい上がりの思いが出てしまって、
素直さや謙虚さが失われている精神状態ともいえます。
子育てを考えても、
互いが違った価値観で育った夫婦ですから、育て方も違ってきます。
「俺が働いているから、母親のあんたが子どもの面倒をみるのが当たりだ」
という考え方も、どうもこのことわざに当てはまるかもしれません。
謙虚に素直に、お互いの子育ての考えを理解し
相談し合いながらの子育てをしていくのが、
変な刀いじりをしない、方法でしょう。
暴力をふるったり、大きな声で怒鳴ったりするのは、刀いじりに似ています。
こんな詩があります。
小学校3年の男の子の詩でという題です。
「ねつがでた」
夜おそく体があついので めがさめた
三十八どあった
おばあちゃんはいそいで
れいぞうこからこおりをとり出して
こおりまくらを 頭の上にのせてくれた
ひゃっこくていい気持ち
お父さんはぼくのひたいに
つめたいタオルを のせてくれた
お母さんは くすりを こそこそさがしている
おばあちゃんが大きな声で おいのりをしている
お父さんのやさしい目が
じっとみているようだった
あんしんしてねむった(『おひさまのかけら』川崎洋編・中央公論新社)
こんな詩です。
家族のあたたかな思いが伝わってきます。
ここには傲慢さもありません。あるのは素直に子どもを守る家族の姿です。
だから子どもも、とても安心するのです。