みにミニ法話

(320)「幸せも流れていく」

この世は無常とよく言われることです。
これは仏教から来た教えですが、この言葉は日本の文化によく馴染んでいます。

たとえば平家物語の最初にでてくる
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」
とあります。
これは、誰でも知っている有名な言葉です。

6月になると沙羅双樹の花が咲きます。
白くきれいですが、咲いたとおもうと、次の朝には散ってしまい、
その花の命の短さに、常ならない時の流れを思います。
桜の花でも長い時には10日以上も咲いていますが、沙羅双樹の花は
諸行無常の理を代表的にあらわしているかのようです。

人生には楽しいことばかりでなく苦しみもあります。
そんな苦しみはいつまでも続かず、耐え抜いて、こらえていれば、
きっとその苦しみも癒えるときがくると言われます。

これは諸行無常の理のように、この世は常に、
川の流れのように止まることなく流れているので、
その苦しみもいつか流れ去り、癒えるときがくるのだと教えているのだと思われます。

幸せもそうです。
幸せはいつまでもここにあって流れていってほしくないと思います。
しかし、幸せさえ流れて移り変わっていきます。

今の幸せにとらわれてその幸せをつかんでいると、
それが執着になって、返って自分をしばり、苦しい思いにさせるときもあります。

そんな時の生きる心構えはどうすればいいのでしょう。

流れゆく幸せであっても、今ある幸せを粗末にしないことです。
そして今ある幸せに感謝し、謙虚に受け取っていくことです。

そして幸せになるための生き方を努力して積み重ねていく。
そんな生き方が、流れゆく人生の中で、
変化していく幸せを自らの手元においておく秘訣かもしれません。

今ある家族の形は、常に変化していきます。
愛し合って結婚し、その夫婦二人に子が生まれ、
その子も少しずつ大きくなり、やがて大人になって社会に出ていきます。
そして夫婦も老い、どちらかがあの世へ旅立っていかなくてはなりません。

そう考えると、一日たりとも同じ日はありません。
そうであるならば、一日一日の幸せを感謝して受け取り、粗末にしないことです。

そしてできるならば、人の幸せのためにも生きられる。
そんな生き方を尊び生きていくと、流れていく幸せであっても、
常に幸せの流れの中で暮らしていける。
そんな理を発見できると思います。

「いつも幸せ」と思い、今ある幸せを大切に両手に受けていく。
そうすることで、いつも幸せでいられるのです。

タイトルとURLをコピーしました