3月になると陽の光があたたかく温もりを伴って、
野に小さな花たちが咲き始めます。
名も知れない、そんな花たちを見ると、
心もあたたかくなり、幸せを思います。
これは季節の中で味わう尊い思いで、
ごく自然な営みとしてとらえがちですが、
少し考えを深めていくと、この春の温もりは、大いなるものが、
「人の心にも温もりの思いが必要ですよ」
と、知らしめるために与えてくれているものではないかと思えます。
人は人との触れ合いで、さまざまなことを学びますが、
その中でどう生きて行けばよいのかと迷うことが、たくさんでてきます。
そんなときに、春の温もりを思い返し、
その温もりが、人と人との触れ合いの中に花を咲かせ、
私たちに安らぎを与えてくれる。
そんな自然の景色を見て、あるいは読み取って、
私たちもそんな心の温もりを得たい。
できることならばそんな人になりたいと思わせ、
人と人とが幸せに暮らせるようにと、
大いなる存在が、あえてこんな世界をお造りになった。
そう考えても、よいかもしれません。
人の温もりは心の内にあるものですが、
それが外に現れると笑顔の姿になります。
怒りの顔や不満の顔、あるいはどん欲な顔など
さまざまな顔がありますが、その中で笑顔の顔は、
花のように相手に安らぎと幸せの思いを伝えていきます。
樹木希林さんが亡くなられて、
生前の言葉をまとめた本が、ずいぶん売れたようです。
その『樹木希林120の遺言』という本の中に
嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているのよ
という言葉が載っていました。
そうすると、
面白くなくても、だんだん嬉しい感情がわいてくるのよ
とも書いています。
笑顔の家には邪悪なものが寄りつけない、とよく言われることです。
夜道の帰り、我が家に灯された一つの明かりが、心を和ますように、
温もりの笑顔が、幸せを作っていきます。
そんな温もりは、もしかすると、大いなる存在とつながっていて、
そこから流れてくる幸せの温もりかもしれません。
自らが温もりの心を抱き、
その温もりを春の陽のように周りに漂わせていく。
そこに幸せの花が咲いていきます。