6月になると梅雨になり、その時に好んで咲くのが、アジサイです。
アジサイは紫や赤などさまざまな色の花を咲かせ、
特に雨の日は、その花の色が優しくほほえんでいるようです。
アジサイは決して冬には咲きません。
この時期を選んで、咲いているかのようです。
お寺の周りにも春になるとスミレの花が咲きます。
さまざまな種類のスミレの花が咲き、その定められた場所に、
精一杯、きれいな花を咲かせています。
山肌に咲くスミレ。日陰に咲くスミレ。
日当たりのいい場所に咲くスミレ。山の中に咲くスミレ。
みなほほえんで咲いています。
アジサイは雨の日々に咲き、
スミレの花は、その場所で精一杯生きぬいています。
人も同じです。
今ある場所に根を下ろし、しっかり生きぬく姿勢が大事であると思われます。
その場合、今ある場所を嫌いにならず、その場所の良い点を見出し、
そこから人生の栄養を吸い取り、心の学びとしていくことが大事になります。
「隣の花は赤い」という諺があります。
これは「他人の物はよく見えてうらやましく思える」という意味です。
これは物に限らず、あの家庭に生まれたほうが幸せだった。
信州でなく、違う場所で生まれたほうが幸せかもしれない。
そう思う時もあります。
しかし、他の物や他の場所はよく見えるものです。
隣の家庭でも、幸せそうに見えて、実はよく聞くと、
その家庭での悩みや不安を抱えてみな生きています。
その悩みをどう乗り越え、
この場所で私たちの幸せをどのように作りだせばよいのかと、
みな悩み、努力をしています。
もしかすれば、隣の家の人たちは、
自分の家庭をうらやましく思っているかもしれません。
隣も同じように、「隣の花は赤い」と思ってしまうものなのです。
できれば、この場所に花を咲かせ、
その咲かせた花で、隣の家をも幸せの花で包んであげる。
そんな気高い精神が必要なのかもしれません。
この場所に幸せの花を咲かせる。
そう思い、精一杯生きている人に、さらに違った場所で花を咲かせる、
そんな尊い縁が結ばれていきます。