「自己に厳しくあれ」、という言葉はよく聞かれる言葉です。
それと対句のようになっているのが、「人には優しくあれ」という言葉です。
「自己に厳しく、人には優しくあれ」というのは理想でしょうが、
なかなかできるものではありません。
人の考えや行動を見ていると、自分に甘くなるのがほとんどです。
みんな自分が可愛いので、自分を守ろうとするのは、大切なことですが、
自分に甘くなる思いを少し止めて、相手を見てみるには、
自分に厳しくなければできません。
それが人との和を作る方法でもあります。
常に自己に厳しくあることは難しいことですが、
この言葉を大切に思って暮らしていると、
成功の道を歩んでいることも確かなことです。
誰にも認められないけれど、
自分が正しいと思って努力して歩んできた人には、
何か後光のようなものを感じる時があります。
そんな様子を自然を通して語った言葉が、論語に出てきます。
「歳(とし)寒くして、
しかる後に松柏(しょうはく)の後凋(こうちょう)を知るなり」
という言葉です。
私も好きな言葉なのですが、この意味は、
「夏のとき、木々が緑であるときには、
松などの常緑樹は目立たないのですが、
寒くなって、他の木々の葉が落ちる頃になると、
はじめてその緑の美しさが分かる」
という意味です。
松などの緑も白い雪をかぶるとさらにその緑の美しさを思います。
普段から目立たなくても自己に厳しく努力を続けていれば、
やがてその努力が報われ、世に出ることがあるのだ、
という真理をこの論語の言葉からくみ取ることができます。
リンゴの落ちるのを見て地球に引力があることを発見したニュートンは、
「常に工夫を怠らず、研究課題をつねに自分の目の前において、
一時も離すことなく、考え続ける。
それがやがて閃(ひらめ)きとなって、真理の光を見るのだ。
それまでは忍耐強く努力をするのだ」
と言っています。
こんな姿があったからこそ、すぐれた結果を出すことができたと思うのです。
人は自己に厳しくあって、
やがて成功という人としての尊さを手にするのだと思います。