この世には宝がたくさんあります。
お金もそうでしょうし、
好きな人からいただいたプレゼントも宝といえましょう。
家族との想い出や、友達との想い出も大切な心の宝といえます。
この意味で宝は、持っている人に幸せを与えるものです。
そんな宝の中で、「やさしさ」は決して消えることのないもので、
また自分ばかりでなく、人にもあたたかな思いを分けてあげられる
特別な宝であると思われます。
このやさしさの宝を得ることは、難しい半面、
また得やすい宝ともいえます。
禅問答のようですが、
相手を思いやる心が深ければ、必ず得られるものですし、
自分のことばかり考えていると、なかなか得られないものなのです。
こんなお話がありました。
「軍手」という題のお話です。
「軍手」
とても寒い日、娘と二人で車に乗っていると、
前を走る引越しの小型トラックの荷台に、
冷蔵庫を素手で支えている若者がいました。「トラックの人寒そうだね」と娘と話していると、
信号が赤で止まった時、トラックの横にいた車のドアが開き、
女性が出てきて、その若者に軍手を渡しました。
若者はお礼を言い、女性は急いで車へ。すぐ信号は青。若者は軍手をはめ、トラックは走り去って行きました。
本当に一瞬の出来事でしたが、
「この寒空にやさしい人が弘前(ひろさき)にもいるんだね」
と娘と二人、温かい気持ちになりました。(喜びのタネまき新聞のNo.488)
こんなお話です。
寒い日に素手で冷蔵庫を支えている若者に、
どこかの女性が軍手を渡した様子を見て、
この親子はそのやさしさに心を打たれています。
軍手をもらった若者も、軍手を差し上げた女性も、
手ばかりでなく、心も温まったことでしょう。
やさしさは、まわりの人を次々に幸せにしていく力があるのです。
そして、こんなやさしさの宝を持ち、このやさしさを人に分け与えていけば、
もっとやさしさの宝が増えていくのです。
自分の心にも、相手の心の中にも、です。
実に不思議な尊い宝なのです。