あたたかな心とは、春のように、
その人といると安心し、自分もあたたかな思いになれる、
そんな心を持った人であるといえます。
またあたたかな心は、人の優しさを奪うのでなく、
人に優しくできる心でもあり、素直にありがとうと言える心でもありましょう。
一つ、投書を読みます。
この中に出てくる人たちのように、みんな与えあう心でいたら、
幸せなあたたかな家庭、社会になることでしょう。
17才の高校生で、女性の方の投書です。
「バスの中での親切リレー」という題です。
「バスの中での親切リレー」
先日、買い物帰りで久しぶりにバスに乗った。
混んでいたので大きな荷物を抱えたまま立っていた。
すると近くにいた若い男性が無言で席を譲ってくれた。
私はお礼を言って早速(さっそく)座った。その後、おじいさんが乗ってきたので、私は席を譲った。
今度は私がお礼を言われ「荷物持ってあげるよ」と言ってくれた。
優しい気遣いにとてもうれしくなった。次の停留所で、
降りた女性の忘れものに気がついた乗客が「忘れ物ですよ」と叫んだ。
間一髪で間に合い、手渡しリレーでバスの外の女性に届けた。
女性は恥ずかしそうにお辞儀をして走り去った。私が降りる停留所ではおじいさんが
「お姉ちゃんお疲れ」と言い、荷物を渡してくれた。
私は大きな声でお礼を言ってバスを降りた。学校では決して得られない体験だった。
多くの親切と助け合いに出会い、教科書に載っていない大切なことを学んだ。
その夜、家族で鍋を囲み身も心も温まった。(朝日新聞 平成20年10月30日付)
こんな投書です。
みんが親切で助け合っていて、
しかも助けられてお礼を言っているところは、あたたかな世界を感じます。
彼女は最後に身も心も温まったと書いていますが、
あたたかさの意味がわかる投書であると思います。
席を譲る勇気があって、
譲られたら素直にその親切を受けて、「ありがとう」が言える。
どんな時でも、どんな場でも、こんな生き方が尊いのです。