法話

考える力が幸不幸を決める 4 生きる意味の考え方

どうして私は生きているのか

生きるうえで大切なことは、
「どうして今私は生きているのか」を知っていることです。

そのようなことを知らないでも生きていけますが、
知っていたほうが、よりよく生きることができるように思います。

人生一度きりだから、楽しく生きればいいという、
そんな考えもありますが、せっかく
「生まれようとして、生まれてきた」のですから、
何か深い理由があって生まれてきたのです。
その理由が、その人の生きる意味になってきます。

人の人生はみな違っているので、
人生の意味もそれぞれ違うかもしれません。

ここで17歳になる高校女子生徒の投書を読み、考えてみます。
「いつか恩返し・・・今を生きる」という題です。

「いつか恩返し・・・今を生きる」

私は生きることの意味についてよく考えます。
以前、友達と遊びに行ったときに帰宅の門限を過ぎ、
母に強く怒られたことがありました。

母は涙を流しながら
「生きていてくれてよかった」と言いました。

その言葉を聞き、
母は姉や私を守るために必死に生きているのだと思いました。

私は平凡な毎日を過ごしていますが、
周りの多くの家族や友達に支えられています。
「いつか私を支えてくれている人たちに恩返ししたい」
という思いで、今生きています。

果たして私を必要としてくれる人がいるのか分かりません。
もしいるならば、その人のことを支えることも生きる意味だと感じます。

一人一人、生きることの意味は違うと思います。
不安や重圧で、今生きている意味が分からない人もいると思いますが、
いつか必ず、それぞれの生きる意味を見つけられると信じています。

(産経新聞 令和7年1月27日付)

この高校生の今の生きる意味は、支えてくださる方に恩返しをする。
そのために必要な人となる、ということです。相手を幸せにする。
そのために、受けた恩を感じ、必要とされる人として、
自分を高めていく。そんな生きる意味の考え方です。

考え方によって、その人を幸不幸にしていくならば、
この高校生は、幸せになる考え方をしているのです。

詐欺や万引き、盗みや、人を騙して幸せを奪う。
自分の不幸を相手や社会のせいにし、その思いを紛らわせるために、
自分に関係のない通りすがりの人を傷つける。
そんな考え方で生きていれば、決して幸せにはなれません。
この世で深く反省しなければ、やがて死して後、
閻魔様の裁きを受けることになるでしょう。

小さなことでも相手のために

相手を幸せにする、と高校生のことを書きましたが、
大きなことでなく、ほんの身近で小さなことでもいいのです。
その言葉や行いが心を温かくし、幸せの笑顔になれるのです。

こんな詩がありました。
81才になる女性の詩で「蜂」という題です。

「蜂」

信号待ちの車の中
足長蜂が乗車していた
軒下に巣を作った蜂だ
窓を開けると
素直に風に乗った
迷わず家に
帰れるかな と私
やさしいんだな と夫
蜂嫌いな私なのに・・・
コロナの所為か
年齢の所為か
キュンと心が
蜂に刺された

(産経新聞 令和3年6月30日付)

「キュンと心が蜂に刺された」ところの表現は上手ですね。
詩の作者が、嫌いな蜂を逃がしてあげて、
その蜂が家に帰れるかと心配する。
それを見た夫が「やさしいんだな」と言う。
読み手の心を、ほんのり温かくしてくれます。

考え方によって、幸不幸が決まってくるなら、
幸せになれる考え方をし、その考え方にそって言葉を使い、
日々の行いをさせていただく。
そして共に、幸せの道を歩んでいく。
そんなお話でした。

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