苦労をいとえば花は咲かない
それでは、ただきれいな花というのではなく、
その花の中に仏のどんな智慧が隠されているのか、
どんな慈悲の思いがあるのかを探しながら、花に学んでいきます。
まず、花から学び取れる生き方は、
「苦労をいとえば花は咲かない」です。
この言葉は平成27年5月の月の言葉から取っています。
この月の言葉は、
「苦労をいとえば花は咲かない。他のための苦労は美しい花のよう」
でした。
高山植物であるコマクサという花があります。
草丈は約5~15cmほど。5月から8月に咲きます。
根の長さは80cmほどあると辞書にはあります。
小さな、か弱そうな花ですが、その根は草丈の8倍ほどあるのです。
この根がなければ、地中から水分や栄養を取ることができないのです。
そして可愛らしい花を咲かすことはできません。
身近にあるタンポポはどうでしょう。
その根の長さは、平均で50cmほど。長いのになると1mもあるようです。
涼しげに咲いている花もしっかり根を張り努力をして、
花咲かせることに一生けん命なのです。
そうして努力を重ねて、やっと美しい花を咲かせるわけです。
美しい花を咲かせようと努力している、と言い換えてもいいかもしれません。
端正な人
お釈迦様が、次のような教えを説いています。
あざむいて吝嗇(けち)で偽る人、
ただ名前とかたちだけでも、
美しい容貌によっても、
「端正な人」とはならない。(『感興のことば』岩波文庫)
端正とはきちんとしているとか、乱れず、行いや姿が整っている、
という意味です。
きれいに咲く花にたとえられます。
いくら姿形を整え、美しく着飾っても、
その人の生き方が相手をだまし、与えることをせず、偽りを語る、
そんな人は、本当の美しい人ではないというのです。
人を美しくさせるのは、その人の生き方に関わってくるといえます。
ではどのような生きる努力をすれば、ほんとうの美しさが出てくるのでしょう。
宝塚歌劇団 伝説の教え
私自身、宝塚歌劇団の公演を見たことはありませんが、
ときどきテレビや雑誌なので、その美しい姿を拝見したことはあります。
お釈迦様の言葉からいえば、美しい容貌を持った女性ばかりです。
でも、劇団のいたるところに、
「ブスの25箇条」というものが張られているといいます。
ブスではない人たちなのに、なぜ「美人の25箇条」ではないのでしょうか。
花の根の力と、お釈迦様の生き方とを合わせて考えていくと、
なるほど尊い教えだと思えます。
「ブスの25箇条」
① 笑顔がない
② 御礼を言わない
③ おいしいと言わない
④ 目が輝いていない
⑤ 精気がない
⑥ いつも口がへの字の形をしている
⑦ 自信がない
⑧ 希望がない
⑨ 自分がブスであることを知らない
⑩ 声が小さくイジケている
⑪ 自分が最も正しいと信じ込んでいる
⑫ グチをこぼす
⑬ 人をうらむ
⑭ 責任転嫁がうまい
⑮ いつも周囲が悪いと思っている
⑯ 他人にシットする
⑰ 他人につくさない
⑱ 他人を信じない
⑲ 謙虚さがなくゴウマンである
⑳ 人のアドバイスや忠告を受け入れない
㉑ 何でもないことにキズつく
㉒ 悲観的に物事を考える
㉓ 問題意識をもてない
㉔ 存在自体が周囲を暗くする
㉕ 人生において仕事において意欲がない(宝塚歌劇団)
人は自分の欠点にはあまり気がつかないものです。
そんな自分を見つめるために、この25箇条は、優れたものがあります。
25個の生き方は、みな誰しもが持っているものです。
たとえば、笑顔がない、というところを見て、
「ああ、今日は一度も笑ったことがない」と気づいて、笑顔になる。
そんな努力を日々行い、心の美しい人になっていくわけです。
花の根がしっかり地中に張って栄養を取るように、
私たちも苦労をいとわず、自らの花を咲かすことです。
これが、花から神仏の思いを見抜く、考え方です。
(つづく)