この世に生まれてくる前に
この世に生まれてくる、生の扉を開く前、
私たちはどうしていたのでしょう。
また、どんな思いで、この世に生まれてきたのでしょう。
この答えを大きく二つに分けると、
1、偶然にこの世に生まれてきた。
2、必然的に、自分で考えて生まれてきた。
この二つになります。
このお話は喫茶店法話の会で話したものですが、それに当てはめて考えると、
この法話会に来られた人は偶然にこの会場に来られたのか、
それとも自分でここに来ようと考えて来られたのか、どちらでしょう。
答えは、自分で参加しようと思って来たわけです。
時々、灯(あかり)がついているので喫茶店があいていると思って来た人は、
「今日は、喫茶店はお休みで法話の会です」と告げると、みな帰っていきます。
これを生と死で考えると、
この喫茶店に自分で考え生まれてきたということになります。
お店に行くのも、そこで売っている品物も、みな自分で考え選んで買います。
今日の夕食も自分で考え、見るテレビも、自分で選びます。
寝る時も起きる時も偶然にしているのでなく、
自分の判断で起きたり休むものです。
みな自分が考え選んで、生活していることがわかります。
この世に生まれてくるときは、どうでしょう。
みな自分で考え選んで生活している私たちですから、
生まれてくるのも、自分で考え選んで生まれてきたと考えるのが
自然な気がいたします。
お釈迦様の生まれのこと
お釈迦様はこの世に偶然に生まれてきたとは語っていません。
自分で考えこの世に生まれてきたと仏典に記されています。
次に挙げた5つの考えのもと、この世に生まれてきたと説いています。
1、その時代の人びとの心の在り方はどうであろうか。
2、その時代は、今、悟れる仏陀を必要としているのか。
3、どの国に生まれたらよいのか。
4、どのような人種に生まれればよいのか。
5、どんな人を父とし、母とすればよいのか。
この5つをよく考え、2600年ほど前にインドの地に生まれ、
教えを説いたことになっています。
本当のことか、後に作られたお話か、定かではありませんが、
私は信じて疑いません。
インドの地に仏陀が現実に現れ、その慈悲の力が多くの人を救い、
今も、この『法愛』という形で、その教えが灯っています。
ぼくお母さんを選んで生まれてきた
最近、子どもは選んで生まれてくるという本がたくさん出るようになりました。
その中で、医学博士の池川明さんが書いたものがたくさん出ています。
池川さんは、産婦人科で仕事をしていると、
子どもたちが生まれてくる前のことを話すので、
最初は信じなかったようですが、
あまりの数の子どもたちが、生まれる前のことを話すので、
長野県の諏訪市と塩尻市で、保育園に通う親子3601組を対象に
アンケート調査をしたのです。
世界でも例のない規模の調査だったようです。
それが、本にまとめられ、その中の一冊で、
『なぜ、あなたは生まれてきたの』(青春出版社)から、少し引用してみます。
小さなお子さんの語った言葉です。
「ぼくね、雲の上にいてね、
ああ、あそこの家がとってもいいな、行きたいなって思っていたんだよ。
だからぼく、ここに来たんだよ。来てよかった!」
こんな子もいます。
「ママとパパを選んだよ。ずっと待っていたんだよ」
「お母さんはけっこう前から選んでいたけれど、
忙しそうだったので、ずっと待っていました。
すごく待たされた」
この子は雲の上からお母さんになる人の生活を見ていて、
仕事が忙しそうで、赤ちゃんのことをあまり考えていなかったので、
やがて生まれてきたとき、このように語ったというのです。
神さまからのお許し
いいやく りお、という名の男の子がいます。
平成13年生まれですから、今16才くらいです。
この子は生まれたときから病弱で入退院を繰り返していたのですが、
とても不思議なことを語り初め、お母さんがその言葉を書き留め、
詩的にまとめた本が出ました。
りお君が3年生も終わりの頃、出版が決まったようです。
『自分をえらんでうまれてきたよ』(サンマーク出版)という題の本です。
その中で
「ぼくの言うことは、ぜったい正しいわけじゃないけれど、
不思議なことだけれど信じてね」
と書き、さまざまな生まれる前のことを詩にしています。
池川さんもりお君について、前述した本の中で書いています。
「赤ちゃんは、どのお母さんにするか、どんな体にするか、
自分で決めて生まれてくるのが、ふつうだよ」「ぼくは、病気だったから、幸せなんだ。
ぼくは、病気だったから、心の言葉が話せるんだ。
だから、いつか、心の幸せを配るサンタさんになりたい」
こんな不思議なことも書いてありました。
生まれる前、神さまは、
「いっぱい大きくなりなさい」
って、メダルをくれた。「りおくん、がんばれ、りおくんがんばれ」
って書いてあって、さわったら冷たかった。
金色で丸い、メダル。
神様が生まれる前の世界で、
「あなたは病気で大変な思いをするけれど、
心の言葉をみんなに伝えてあげて、病気で生まれてくる子どもたちや、
そんな子ども授かって、大変な思いをしている
お母さんやお父さんたちを励ましてあげなさい」
そう言って「がんばれ、りおくん、がんばれ」と、
生まれる前の世界から、りお君にメダルを手渡しエールを送り、
この世への扉を開いて送り出してくれたのです。
そういえば、ダウン症で生まれた、書家である金澤翔子さんのお母さんが、
娘の翔子さんのことを
「書の神様が降りてきたとよく言われるけれど、
本当に『降りてきた』書が翔子には5つか6つはある。
説明不可能な素晴らしい字」
と語っています。
生まれることや、大切な仕事の中に、神様のお力がきっとあると思われます。
(つづく)