心の思いによって見える世界が違う
この世界は、人がどう思っているかで、
まったく違った世界に見えることを知っているでしょうか。
同じ景色でも、見る人によってまったく違った景色に見えるのです。
あるいは、同じ人を見ていても、見る人の好きか嫌いかの思いによって、 まったく違った人に見えてしまうという現実に気がつかなくてはなりません。
今回のテーマから言えば、
心の豊かな人は、そんな世界が見えるし、
心の貧しい人には、貧しい世界が見えるのです。
たとえば、
1円を粗末にする人は、1円を使えない価値薄いものに見えるのに、 1円でも大切に思っている人は、その1円をとても価値ある物として見て、
決して粗末にはしません。
また、自分がやさしい気持ちになれば、相手のやさしさが見えます。
感謝の思いを深めれば、美しい尊い世界が見えてきます。
逆に、自分が意地悪な思いになれば、相手の嫌な所ばかりが見えるのです。
このテーマの終わりに「介護に感謝 亡き母つづる」という題で、
63才の女性の書かれた投書を載せます。
「介護に感謝 亡き母つづる」
自宅の仏壇の引き出しを整理していると、
2年前に亡くなった母が使っていたノートが出てきた。開くと
「ここの家の人たちにもよくしてもらった。ありがとう。
きっといい思い出になると思う」
と、たどたどしい文字で書かれていた。母はフルタイムで働く姉と暮らしていたのだが、
介護が必要となり、施設に入所するまで私の家で世話をした。しかし、何度も何度も同じことを繰り返す母に、 私はつい言ってはいけないことを口走り、「ごめんね」と謝る日々が続いた。
母のこの文章を読み、涙で目がかすみ、そのあとは読むことはできなかった。 親の介護を経験し、私と似たような思いをした方は、多いのではないだろうか。
(読売新聞 平成23年6月21日付)
介護しているときに、母が何度も何度も同じことをいうので、
いけない言葉を言ってしまう、その心の姿と、
母の「ありがとう」と書かれたノートを見たときの、心の姿は違っています。
「ありがとう」の言葉を受け取り
涙が出るほど母を思う。その心の姿は、心の豊かさからきています。
豊かな心には、美しい世界が見えます。
そんな世界をたくさん見ることが、幸せの道を歩んでいることにもなります。
どうぞ、たくさん美しい世界を見てください。