法話

脚下を知る 5 脚下を知ることが世界を広める

心にも面積がある

今までお話してきましたように、
自分の身近なところに大切なものを発見していくと、
自分の心の世界が広くなっていきます。

この世の世界の面積は決まっています。
でも、心の面積は決まっていないようで、
その人の大切なものを発見する量によって、
心の面積も無限に広がっていくように思えます。

ですから、Aさんの心の面積と、Bさんの心の面積は同じではないのです。
心の面積を広く持っている人が、相手の心の世界を寛容な心をもって見ることができます。

そしてその心の面積を広げる1つの方法が、
脚下を見て、多くを学びとっていくことなのです。

自分を見つめる

脚下にある自分をもう一度見つめてみましょう。
自分はどのような人間なのか、何を思って暮らしているのかを自らに問い尋ねてみるのです。

①私は感謝を大切にして生きているだろうか。
②自分の思いやりはどれくらいなのか。
③自分は信頼にあたいする生き方をしているのか。
④自分はどれだけ努力をしているのか。
⑤自分は1日、どれほど笑顔を作っているだろうか。
⑥自分は怒りを抑えているだろうか。
⑦自分は不満を言っていないだろうか。
⑧自分の欲望はどうだろうか。行き過ぎていないだろうか。
⑨自分は傲慢になっていないだろうか。
⑩自分は相手をつねに理解しようとしているだろうか。

自分の脚下にはたくさんの問いがあります。
それらをひとつひとつ見つめていくことで、心の世界が広くなり、
相手の心の世界も見えるようになっています。

自分の心に相手の心を入れる

自分の心を広くしていくのに合わせて、
相手の心、相手の気持ちを見つめることも大切です。

①の「私は感謝を大切にして生きているだろうか」という問いには、
必ず相手の存在が浮き出てきます。

相手を見つめなければ、感謝の思いはでてきません。

長く病院生活をしている人は、家族の笑顔や支えがどんなに有難いことなのか、
自分の家の布団で寝られることがどんなに有難いことなのかを知るでしょう。

それは健康を害し、入院して家を離れることで、
相手の気持ちの温かさを知るからです。
自分の心の中に、相手の気持ちが重なったともいえます。

そのように、相手のことも、自分の心の世界に入れ、
相手の気持ちを考えてあげられることが、自分の世界を広げることでもあるのです。

「私の幸せ」という37才の女性の詩です。

「私の幸せ」

当り前のことが
どれだけ幸せなことか 
やっと分かった
話すことの幸せ
食べられることの幸せ
歩けることの幸せ
だけど一番は
それに気付かせてくれた今と 
支えてくれた夫がいる
その存在が私の幸せ

(産経新聞 平成27年1月29日付)

自分の幸せを、支えてくれた夫の存在に気づいています。

相手の気持ちを自分の心の部屋にそっと入れて、大切にする。
そんな生き方が自分の心を広くし、そんな心の広い人が、
また相手の存在に気づき、自分ばかりでなく、
相手をも大切にできて共に幸せな日々を築いていけると思います。

幸せは脚下、自分の足元に、たくさんあります。

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