財においても精神においても独立している
今まで「幸せと人間関係」をお話ししてきましたが、
人間関係の基本は、自分自身が財においても精神(心)においても
独立していることだと思います。
真面目に働いて財を持ち、人に頼ることなく普通に生活できることと、
精神的にも強く正しく生きていけること。
これがよい人間関係をつくっていく基本だと思います。
人に頼ろうとして、
「あれもしてくれ。これもしてくれ」ということばかり言っている人は、
その人からいつか友が離れていきます。
助け合っていくのは大切ですが、
いつも助けられる方にばかり身をおいて、それが当り前になってしまうと、
決して幸せにはなれません。
さらに独立している人が、余った財を他の人のために使ったり、
精神的余裕がある人が、他の人のために、自分のできることを成していくと、
より幸せが広がっていきます。
誠実さを持つ
人間関係の基本で、もう1つ大切なことを言えば、
相手に常に誠実に接することではないかと思います。
『孟子』のなかに、こんな言葉がでてきます。
至誠(しせい)にして動かざる者は、未(いま)だこれあらざるなり。
誠ならずして未だ能(よ)く動かす者あらざるなり。
人間関係を重点に訳すと、
「誠意を尽くして人に接すれば、どのような人でも必ず動かすことができるし、
不誠実であれば、どんな人も動かすことができない」
という意味になると思います。
孟子はこの「誠」を「天の道であり、万事の根本である」と言っています。
仏教的にいえば、「仏の道」であるとも解釈できます。
私が書いた本で『自助努力の精神』の中の第3章に
「誠実に生きる」という1章を入れて、誠実とは何かを書いたことがありました。
その中で、人前で話をするときに、
どのような心構えで話したらよいか分からず、迷っていたときに、
「人の前で話をするときには、誠実であること」という言葉に出会って、
悩みが解消したことを書いています。
今でも人の前でお話をするときに、
「誠実であれ、誠実であれ」と唱えるときがあります。
そうすると、お話が劣っていても、必ず誰かその話を聞こうとしてくれます。
「動かざる者、未だこれあらざるなり」です。
誠実に人に接していけば、そこにあたたかな人間関係が築かれ、
必ず幸せになっていけます。