法話

心を切りかえる妙法 2 心を切り返る方法

冬の虹で心を切りかえた人

思うようにならないと悟ることが、
1つの心の切りかえであるというお話を致しましたが、
さらに2つの方法を見ていきます。

まず1つ目が、
外からくる言葉や出来事を、いい意味でとらえ、心を変える力としていく
という方法です。

2つ目は
自分の心の内から、主体的に心を切りかえていく
という方法です。

まず、1つ目の外からきた言葉や出来事などによって、
心を上手に切りかえていく方法を考えてみます。

こんな詩がありましたので、載せてみます。
「朝の詩」という欄で、ある新聞に載った詩です。

一日の始まり

その朝は寒くて
吐く息は白くて
膝小僧は赤くて
ハンドルを握る手は
痛くて冷えて
上り坂は苦しくて
坂を塞(ふさ)ぐバスは憎くて

でも

坂の先に現れた
冬の虹は
大きくて大きくて

私は、笑った

産経新聞 平成18年1月

この新聞には毎朝、「朝の詩」が掲載され、
この年の1月の一番いい詩に選ばれたのがこの詩です。

仙台に住む高校2年生の五十嵐ゆう子さんが書きました。
12月の寒くて小雨の降る朝に、
生まれて初めて見た冬の虹の印象を詩にしてみたとのことです。

五十嵐さんは、その朝、自転車に乗って通学するときだったのでしょう。

朝は寒いし、吐く息は白いし、
膝小僧は寒くて赤くなり、ハンドルの握る手は寒さで痛く、
そんな状況のなかで、大きな冬の虹を見たのです。
その虹を見たとたんに笑ってしまったというのです。

寒いという苦しみの中で、虹をみたら、苦しみがどこかにいってしまって、
嬉しくて、笑ってしまったというわけです。

虹によって心が切りかわり、
寒いという苦しみがどこかへ飛んで行ってしまったのです。

さまざまな自然の風景、春の花や夏の涼風に蝉の声、
秋の紅葉や冬の雪などには、心を切りかえる大きな力があるのだと思います。

1つの言葉で、心を切りかえる

1つの言葉で、心を切りかえられるときもあります。

不幸だった思いが、1つの言葉で幸せに変わったり、
1つの言葉が、生きる勇気を与え、苦難にもめげずに、
目標に向かって歩む力になったりします。

ですから、正しく生きていける、そんな言葉を持っていることが大切になります。

今年縁ある人にお配りしたポスターは、
詩人である坂村真民さんが自分で書かれたものです。
坂村さんが生きるための大切な言葉としていました。

お寺にも、唐木屋石材工芸様のご寄付で、昨年参道にこの言葉の碑が立ちました。

念ずれば花ひらく

この言葉は坂村真民さんの詩の題なのですが、
その詩を知っている人は少ないかもしれません。
とてもいい詩なので、ここに載せてみます。

念ずれば花ひらく

念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしはいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ
ひらいていった

1つの言葉が、自分の人生を切り開いていく力になっています。
賢者の言葉には力があるのです。

私たちもそんな言葉を持って、自らを幸せの方向へ誘う、
そんな言葉を持つことの大切さを思います。

自分が主体となって心をきりかえる

心を切りかえるためのもう1つの方法は、自分の意志で切りかえていくことです。

外の景色や出来事、あるいは大切な言葉によって
心の切りかえをしていくお話を致しましたが、
自分自身が「苦難から幸せになるのだ」と心をきりかえていかなくてはなりません。

隣の人が幸せにしてくれるわけではありませんので、
自分自身が心の切りかえをしようと、
常に前向きに生きていかないといけないわけです。

「できないでは、できない」という名言がありますが、
「心をきりかえて常に幸せを求めていく」という意志を持つことです。

仏教的には、
求道心(ぐどうしん)とか発心(ほっしん)という言葉に近い思いかもしれません。

「自らが変わっていこう」
「立派な生き方をしていこう」
「幸せになっていこう」
「負けないで今年も頑張ろう」
「素晴らしい年にしていこう」
と思わないといけないわけです。

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