共に影響しあう心と身体
心のことを語ってきましたが、心と身体は深い関係があります。
仏教的に言えば「色心不二―しきしんふに」という言葉でいい表すことができます。
色(しき)とはこの肉体、身体のことをいいます。
ですから、「身体と心は非常に深いつながりがある」という意味です。
でもこの場合、この世においてであり、
色すなわち身体が壊れ使えなくなれば、心は身体から抜け出し、
あの世の世界へ帰っていくことになります。
車が廃車になれば、乗っていた人も死んでしまうわけではないということです。
この心と身体が非常に関わり合っている一つのエピソードをお話しましょう。
江戸時代です。
ある年(1715)江戸で老人7人の集会があったと言われています。その中の167才と書かれていますから、ほんとうかどうか定かではありませんが、
志賀瑞翁(ずいおう)という人がいました。今でもこんなに長生きをする人はいませんが、
その志賀に長生きの秘訣を教えてもらいに行った者がいました。すると志賀は「秘けつはあるのだが・・・」
と言ってなかなか答えをいいません。それでも熱心に長生きの秘訣を聞くので
志賀は「教えてあげますから、とりあえず7日間精進してください」といいました。その人は長生きができるのなら、そのくらいの精進はできると思い、
7日間精進をして再び志賀に長生きの秘訣を請いにいきました。すると志賀は「もう3日間、精進してください」という。
その人は少し腹立たしく思ったのですが我慢して、もう3日精進したそうです。今度は教えてもらえると思い、いさんで志賀のところにいきました。
すると志賀は「もう1日、精進してください」といいます。その人は心の中で
「馬鹿にしている、3日して、もう1日しろというのか。ちくしょう。
乗りかかった船だから、もう1日やってみようじゃあないか」と思い、
少し興奮して「分かりました」というと、志賀は静かに
「あのなあ、気を長ごう持ちなされ」
と、たった一言、長生きの秘けつをそこで伝授したといいます。その人は呆然(ぼうぜん)とするばかりだったそうです。
長生きをする人を見ると、
どうしたらそんなに長生きができるのかと聞いてみたくなります。
身体も頑丈にできていると思いますが、
心でどのような思いで生きているかが、大きく影響してくるようです。
この場合は「気を長く持つ」ということでした。
心と身体の関係を結構密接につながっていて、
短気で怒りっぽい性格の人は、短命かもしれません。
(つづく)