この美雪さんの話のなかで教えられることは、すべてに意味があるということです。
その意味を知るためには、心穏やかにし、素直な気持ちになって、
さまざまな出来事を省みることが大事になります。
人生の意味を知ると、
すべての出来事が何か大切なことを教えてくれることであると分かってくるのです。
私の部屋の中にあるものは、すべて意味があって存在しています。
パソコンも電話も、本も、そして20年以上使っている鉛筆削り器も、です。
この鉛筆削り器は、子どもがまだ小さい頃に買ったもので、
当時小学校へ通う子どもたちも何度も使いました。
今でも大事に鉛筆を削らさせていただいています。
同じように、私たちも意味があって生まれてきて、
この法愛を今読んでくださっているわけです。
さまざまに出会う人や出来事に意味があり、
それを知ることで何もかもが大切なものであることに気づくのです。
今回の「何もかも大切にできる力」というテーマを思いついたのは、
歌手でもあり作曲家でもある木村弓さんの言葉からです。
体調を崩したおかげで、何が本当に大切なのかをつかめたかもしれません。
「千と千尋の神隠し」という映画がありましたが、
その主題歌の「いつでも何度でも」という曲を作曲し歌った人です。
木村さんは5年ほど声が出なかった時があったそうです。
お坊さんが声が出なくなったら廃業ですが、歌手も同じです。
歌手で人前で歌を歌う立場にある人ですから、
声が出ないというのは、大変なことです。
食事療法などで徐々に体調を回復させ、発声練習をするなかで見つけたのが、
ドイツの竪琴ライアーという楽器でした。
「今の私の声に合うかもしれない」と直感し、
ほとんど独学で覚え、今の演奏スタイルを確立したといいます。
5年ほども声が出ない時に、知り得た言葉が前述したものです。
苦難の中で静かに自分を見つめたり、なぜ声が出ないのかという意味を探ったり、
この出来事は何を教えてくれているのかというのを考えたりして得た言葉だと思います。
声がでなくて、ライアーという竪琴に出会い、その楽器に合わせて声が出、
「いつでも何度でも」という曲を作り、そして歌い、大ヒットをしたわけです。
きっと5年ほど声がでなかった苦しい期間は、
今ではとても大切にできる体験ではなかったかと思います。
そんな苦しい出来事にも大切な意味があるのです。
そう知ると、何もかも大切なのだということが分かってきます。