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みにミニ法話

(269)「前向きな精神」

春は温かく、野辺には花が咲き出して、
あたりが活気づいてきます。

春の温かさは、
そのなかに前向きの精神が宿されていると思われます。
冷たさでなく、温かさが、前向きの精神を作っています。

温かさはほほえみでもあります。
笑顔でもありましょう。

前向きの精神には、ほほえみと笑顔があって、
それをまわりの人に投げかけていくと、あたりが明るくなり、
繁栄の兆しが芽吹いてくるのです。

成功している人は、いつもほほえんでいます。
悲しい顔をしていません。いつも前向きで、積極的に考え生きています。
「私はできる」「失敗してもくじけない」
「努力し続ける」「支えられているから、頑張れる」「ありがとう」。
みな前向きの精神からでてきた言葉です。

この前向きな精神は、若い人のものだけではありません。
死を受け取るまで、人はみな前向きに生きられるのです。

こんな投書がありました。78才の男性の方です。
前向きな精神が、いつでも人生を好転させることができるのです。
「ありがとうを伝え平穏な老後を送ろう」という題です。

「ありがとうを伝え平穏な老後を送ろう」

妻と、「言った」「聞いてない」から始まる言い合いをよくしている。
初めは冷静な口調だが、次第に声が大きくなり、
しまいには怒声をぶつけ合う。

私には一家の主としてのプライドがある。
妻には家庭の切り盛り役としての自尊心がある。
それらにこだわるあまり、互いに妥協することができないのだと思う。

もうすぐ80才という今、どうにかして平穏に暮らしたいと考えた。
ふと、「すみません」「ありがとう」「わかりました」の三つの言葉を、
自分は妻に対して使ってないことに気付いた。

これまで、一家のあるじとしてのプライドを意識しすぎるあまり、
口にできなかったのだ。

これかは素直に謝ったり、礼をいったりして、
妻と笑顔で暮らしたいと思う。

(読売新聞 平成27年1月5日)

78才で、自らの生き方を振り返り、
考え方を前向きに変えていこうとしています。
いつも前向きであれば、そこから幸せの風が吹き込んでくるのです。
みな前向きに考える力を持っているのです。
その力を上手に使っていくことです。