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みにミニ法話

(250)「仏心の発見」

仏心は「仏の心」と書きます。

この場合、仏は死んだ人のことでなく、
あらゆる可能性を秘めた生きる力と言ってもいいと思います。

その秘めた生きる力の中には、優しさや慈しみ、
あるいは努力することや勇気も入っています。

そんな生きる力を自分の中に捜し、
それを活かして生きているところに、
充実した人生を生きることができるのです。

ヤンキーズで活躍しているイチロー選手が、
平成25年8月21日に、日米通算で4000安打を記録しました。
どの新聞でも、テレビでも、その偉業をたたえていました。
その陰にはイチロー選手の天才的努力や工夫があると思われます。

イチロー選手は、日々の練習を欠かさず、
今日くらいは練習を休んでいいと思うときが誰しもありますが、
「彼にはそれがない」と言われています。

努力の人であるのでしょう。
そんな努力を引きだす力が、仏教的にいえば、仏心の力といえるわけです。

体力を最高の状態で維持できる期間は、
普通、一流選手で3年から5年くらいで、
20才過ぎから、30代後半まで維持できた選手は
イチロー選手以外にいないそうです。

そういえばかつてヤンキーズに所属していた松井秀樹選手も
体の故障で辛い思いをしていました。

みな身体の限界まで頑張って活躍しています。
そんな姿を見て、みなが思うことは、「素晴らしい」とか
「大したものだ」とかという思い以外に
、大リーグ選手と比べれば身体の小さなイチローがあれだけ頑張れるのだから、
私にも何か頑張れる力があるのではないかと思うことです。

何かの縁、あるいは導きをいただいて、
自分に生きる力のあることを発見できるものです。

優しさも慈しみもそうです。
そんな心を発見できたら、その尊い力を信じて、
たゆまずたんたんと努力をしていくことです。
きっと志が達成できる日がくると思います。

一日にして事はならずで、1年、3年、10年と続けて、
仏の力が輝きだすのだと思います。
イチロー選手も4000本の安打を打つのに、22年かかっているのですから。