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みにミニ法話

(201)「死後の世界」

死後のことについては、すでに何度かお話をしていますので、
これをお読みのみなさんは、すでに死後の世界を信じているとよいのですが。

この世で善を積めば善いところに生まれ、
悪を犯し反省もしなければ、地獄に堕ちる。
これが真理です。

よくこのことを肝に銘じて、
善を積んでいきることが大切に思います。

最近読んだ本の中に「ひとり百物語」というものがあります。
実話を集めた不思議な話が百、載っています。

その中に、第二十四夜として「満開の桜の木」という話があります。

仮名ですが、夏子さんの母に16才で亡くなった妹がいたそうです。 幼い時からその話を聞いて育った夏子さんは、
16才で亡くなった叔母に、とても親近感を抱き、
祖父母の家にいくと必ず仏壇の前に座り、彼女の写真に話しかけていたようです。

夏子さんが叔母と同じくらいの高校生になったとき、
夢の中に叔母が現れ、夏子さんが生まれる前に亡くなった叔母であったのですが、
不思議と彼女だと分かったそうです。

その場所は祖母の家の仏間で、
そこで、たわいもない話をして、笑い合い、
やがて彼女が「もう時間よ」と夏子さんに告げます。
それが別れの合図で、16才くらいの叔母は、夏子さんを見送ってくれるのです。

家を出て少し歩くと、公園に大きな桜の花が満開になっていて、
そこまでくると叔母は「これから先にはいけないの」と
寂しそうにほほ笑むのだそうです。

そして夏子さんは眠りから目覚めます。

高校生のころはこんな夢を何回も見たのですが、
年を経るにしたがって見なくなったそうです。夢に出なくなっても、
今でも叔母の分まで精いっぱい生きなくてはと思うと語っています。

こんな話ですが、
ちょうど桜が咲いているところが、あの世とこの世の境でしょう。

これは一つの実話ですが、あの世は不思議な世界で、
学び尽くせないたくさんの世界があるのです。