ホーム > 法愛 3月号 > みにミニ法話

みにミニ法話

(108)「実践する勇気」

人はみな心の中にあたたかな思いや、人を幸せにしたいという尊い思いを持っています。
ある新聞(朝日新聞H14年1月30日)を読んでいると、小学校6年生の茜(あかね)さんが地雷のことを調べて、その感想を述べている投書がありました。

茜さんは総合学習のときに地雷について調べました。その地雷にあって、手足を失ったり、亡くなったりする人達が20分間に1人いることや、その3割から4割の人が、15才未満の子どもであることも知って心が痛くなったといいます。

さらに多くのことを学びました。現在世界中に約1億1千万の地雷が埋められていて、すべての地雷を取り除くためには1100年かかるということも知りました。

また、その地雷をなくそうとするNGO、すなわち「難民を助ける会」が、『地雷ではなく花をください』という絵本を出版し、その売り上げでチームを編成して、カンボジアでは96年〜99年に、テニスコート、1,195面分の土地を安全にして、地雷を378個、取り除いたことも知りました。

このNGOが出している絵本は、子どもにも読めて、「ひとつ取り除いたら花の種を植え、ひとつ取り除いたら木を一本植えましょう」という言葉が本の中にあって、その言葉がとても印象に残ったと茜さんはいいます。そこから、一人でも多くの人にこの本を買ってもらいたいと思ったのです。

そして私のできることは、この本を一人でも多くの人に紹介することだと思い、ある新聞に投書を出したのです。

小学校6年生の女の子が、地雷のことを学び知って、その地雷に苦しんでいる人たちに何かしてあげたいと思いました。そのひとつの方法が、ある新聞に投書を出して『地雷でなくて花をください』という本を紹介することだと思い、それを実践しました。

学ぶことで世界を知り、心の内にある、人を大切に思う心に従って、その思いを実際に行動にうつしていった茜さんの生き方は、学ぶべきものがあります。そういう人間に私もなりたいと思った出来事でした。