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法華経の詩

法華経の詩(111)

安楽行品 第十四(5)

仏 世尊は 文殊に
さらに語り続けた

如来が亡くなったあと
正しい教えが滅ぶ最後の時でも
この法華経を弘める求法者があれば

この求法者は 忍耐の力があって
人が自分より優れていても
その人にたいして嫉妬することもなく

人を欺き 
だますこともなく
けちで わるがしこい そんな思いもない

また
「良家の息子たちよ
 あなたがたは完全な『さとり』から遠く離れ
 はなはだしく 心乱れた生活をし
 それでは 仏の智慧は得られない」
などと 
人びとの心を混乱させる
このような言葉を 決して語らない

さらには
求法者である彼は
教えに関する争いを好まず
教えに関して争いをせず
すべての人びとに
慈しみの思いを捨てることがない

すべての如来を父と思い
すべての求法者を
自身の 教師と信じ
どんな所であっても 求法者がいれば
彼らを崇(あが)め 尊んで礼拝する

そして 教説を弘めるにあたって
誰かを特に
依怙贔屓することもない