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法華経の詩

法華経の詩(88)

法師品 第十(6)

仏 世尊は
薬王菩薩(やくおうぼさつ)に
続けて語った

善男子や善女子である求法者が
如来の滅後
すなわち亡くなった後に
多くの人に
この法華経を説き明かすとき

求法者は 如来の室(しつ)に入り 
如来の衣服をまとい 如来の座に坐して
この経を説き明かすべきである

如来の室とは大慈悲心なり
すべての人を憐れむ心をいう

如来の衣服とは柔和忍辱(にんにく)の心で
忍耐する心の穏やかさをいう
如来の座とは 一切法の空をいう
すなわち
すべてのものは「空」であるのだ

この「空」とは
仏の思いであり エネルギーでもある
目には見えないが
すべてものが
仏の計らいと 慈悲の思いで
出現している という意味でもある

そして
私が入滅した後
この経典を説くとき
石を投げられ 棒でたたかれ
槍でつつかれ 罵られようと
私を思い出し 耐え忍べ

そうして
この経を広げ 読誦するものが
私の姿を見ることができるのだ
この福徳は
はかりしれない喜びであろう

(法師・了)