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法華経の詩

法華経の詩(74)

五百弟子授記品 第八(1)

十大弟子のひとり
説法第一と言われる
富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)は

仏 世尊から 親しく説法を聞き
功妙な手段で智慧が語られ
深く 細やかな意義を含んだ言葉で
その教えが示され
偉大な弟子たちの予言を聞き

さらに
前世の因縁にまつわる物語や
仏の威厳を具えた姿を 目の当たりに見て
深く心を打たれ
世俗を離れた清らかな喜びで 感激し
心を踊(おど)らせた

そして示された その教えの尊さを思い
今までにない 敬虔な気持ちで座席を立ち
世尊の前に伏して
このように考え語った

世尊よ 不思議です
完全の「さとり」に至った如来の仕事は
まことに稀有(けう)であって
まれにしか 出会うことができません

如来は
さまざまな方法で この世界を調和させ
多くの優れた手段で
その「さとり」の智慧を示され
人びとに教えを授けられました

多くの煩悩にとらわれ
迷いの中にある人びとに
功名な手段で 教えを解き放たれるのです
如来のみが 私たちが志願するところと
前世の因縁に基づく修行を知っておられます

そう語り世尊を礼拝して
片隅に座り
まばたくことなく 世尊を見つめた