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法華経の詩

法華経の詩(69)

化城喩品 第七(11)

大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)
である仏 世尊が
その後「妙法蓮華経」なる
「正しい教えの白蓮」を何度も説き
隠棲し瞑想に入った

そのとき完全なる「さとり」を得た
十六人の修行者は
新たなる獅子座に座り
この「妙法蓮華経」を久しく説きあかした

時は流れ
瞑想していた大通智勝如来は前世を思い出し
意識を取り戻して 瞑想から立ち上がり
そこに集う すべての人びと語りかけた

教えの後継者となった十六人の法師たちは
十方にある数々の仏国土に住んで
法を説いている
ちなみに十六番目の釈迦牟尼如来は
サハー世界なる娑婆国土の真ん中で法を説いている

ここに集う修行者たちよ
あなたがたはみな
「さとり」に達する能力をみな具えている
しかし 如来の智慧は一朝一夕には了解しがたい

私が滅した後
未来において 私が仏となり
いずれの世界に
どのような名でこの「妙法蓮華経」という
教えを説いていたとしても
あなた方は
如来の智慧を 求め尋ねて
その世界に共に生まれるであろう

完全な「さとり」に至る境地は
ただ一つ みな仏となることのできる
  一仏乗(いちぶつじょう)のみであることを知り
五欲の海から離れて 
この教えを信じ 受け取る者は
やがて大いなる「さとり」を得ることになろう