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法華経の詩

法華経の詩(67)

化城喩品 第七(9)

大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)
である仏 世尊が
苦しみの原因を解き明かし
その後に
その苦しみを取り除く教えを説くと
その教えを聞いた多くの人びとは
何物にもとらわれない心を得
迷いから解放された

中には
六つの神通力(じんつうりき)を
得たものもいた

まず一つ目の神通力は
天眼通(てんげんつう)
霊視能力といえる
一般の人には見えない世界が見えること

二番目に天耳通(てんじつう)だ
これはあの世の霊たちの声を聞く力といえる
見えない世界の天人や
あるいは 地獄にさまよい霊たちの声を聞く力だ

三番目に他心通(たしんつう)
これは相手の気持ち 心の思いを
手に取るように理解できる力

四番目に宿命通(しゅくみょうつう)
これは他人の運命や過去世をも見ることのできる力だ

五番目に神足通(じんそくつう)
肉体から魂が離れ
見えない世界に行くことができる力
いわゆる 幽体離脱と言える

そして 六番目に漏尽通(ろじんつう)
これは自らの心の欲するところに行動しても
正しく生きていける力
煩悩を滅して 常に人の利益のために考え
行動できる力といえる
如来の持つべき力だ