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法華経の詩

法華経の詩(60)

化城喩品 第七(2)

世尊なる仏は 弟子たちに
さらに詳しく
大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)
のことについて語った

私は今 お前たちに
この如来がどれほどの昔に
好成(こうじょう)という国に現れたかを
砂のたとえで語った

その数えることもできない遠い昔を
お前たちは
ため息をつきながら
理解できないと語った

もしや優れた数学者であれば
その微細な粒子を計算によって
理解できたかもしれないが
算数の応用だけでは
到達することのできないほどの昔なのだ

しかし 弟子たちよ
彼の大通智勝如来が
どれほど遠い昔に入滅したとしても
私は知見力(ちけんりき)によって
彼の如来が
今日か昨日に入滅したかのように
思い出すことができる

たとえば その時の弟子たちの様子
彼の如来に指導された求道者の思い

彼の如来が どのように悟りに至り
弟子たちや求道者の気根に応じて
どのような教えを基本として説き
どれほど多くの教えを説いたか
さらには
どのように そのお教を弘(ひろ)め
どのような思いで天上の人びと交流し
どのような思いで入滅していったかを
正確で汚れのない記憶によって
思い出し 語ることができるのだ