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法華経の詩

法華経の詩(26)

譬喩品 第三(2)

舎利弗(しゃりほつ)は
繰り返し 世尊(せそん)なる仏に語りかけた

偉大なる指導者 世尊なる仏よ
私はかつて
懐疑論者であるサンジャヤの弟子でした
彼に従って出家しましたが
その教えに満足せず
良い師を求めていました

あるときラージャガハなる王舎城で
アッサジという修行僧の托鉢の清らかなる姿と
その者の簡単な詩である偈(げ)を聴いて
私が求める教えであると
深く悟るものがありました

そして その者が仏の弟子であると聞き
仏のもとに集ったのです
私の思いを察して 仏は
誤った思想から離脱させるための教えを説かれ
すべてものが因縁(いんねん)によって
成り立っていることを説き
私はその真理を悟ることができました

初めて 仏の教えに触れたとき
悪魔が仏の姿をしてこの世に現われ
私を悩ますのではないかと思ったほどです

仏はさまざまな縁や比喩(ひゆ)を用いて
数々の教え説かれ
心の安らかなる思いは海のごとく広がり
疑念を絶つことができました

いま 世尊なる仏は この世に生まれ出家し
道をえて 法輪(ほうりん)を転じ
方便をもってさまざまなる教えを説かれました
それがどうして 悪魔でありましょう
仏の柔らかな美しい声で
深い清らかな教えをいただき
私は智慧をえることができたのです