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法華経の詩

法華経の詩(15)

方便品 第二(3)

仏の説かれた方便という言葉に
そこに集う者みなが疑問を抱いた

仏が方便という説かれ方を
讃歎(さんたん)されているのは
一体どのような理由があるのであろう

三乗の者はみな
仏のさまざまな教えを 受けて悟りに達した
にもかかわらず今に及んで
仏が悟った教えは
深遠で誰にも理解しがたいという

今まで説かれた教えで
悟りを得ると言われたのにもかかわらず
それらがみな方便であったと説かれた
意味がよく分からない

そのとき舎利弗(しゃりほつ)は
大衆の疑問を知って 仏に言った

私は以前から 仏のおそばについて
多くの教えを学んできました
しかし今まで
仏の教えが深遠で悟りがたく
難しくてその意味を理解できないなどと
聞いたことがありません

どうぞこの意味を分かりやすく説いてください
願わくば この真理を説き給え
仏よ 語って 我らに最高の喜びを与え給え
そう 舎利弗は心を込め 三度仏に冀(こいねが)った

仏は舎利弗の強い願いを知って語った
今汝は三度まで懇請した
では語ろう よく聞いて 心にとめなさい

このときうぬぼれの心を起こした五千人の者が
座から立ちあがって
仏を礼拝してから その集まりから出ていった