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法華経の詩

法華経の詩(2)

序品 第一(2)

仏は法華経の真の意味を理解させるために
始めに無量義(むりょうぎ)を静かに説いた

我れ六年あまり苦行をし その行(ぎょう)を捨て去り
菩提樹のもとで 坐禅瞑想し
阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)なる
大いなる悟りをえた

そして仏眼を持って すべてのものの心を観察すると
蓮の花がまさに これから咲きだそうとするもの
花を咲かせんと 水の上に蕾(つぼみ)でいるもの
あるいは 水の中に未だ蕾を抱いているもの
そのように・・・ 教えを聞く心をえているもの
教えを何度も聞くことで 悟りに道に入るもの
教えを教えとして受け入れようとしないものなど
さまざまな人びとの心の違いを感じ取った

そのため 人びとの心の状態にあった教えを
方便として説いてきた

ゆえに四十年来 未顕真実(みけんしんじつ)
真実なる教えを顕(あらわ)すことはなかった

本来真実なる教えは 唯一仏と仏のみが
よく理解できるものであり
もし すみやかに悟りをえて
慈悲の心を現わさんとするならば
これから説く法華経を修学することなのだ

この経は 諸仏の心より生まれ
すべての人びとに 菩提心なる悟りの心をえさしめ
多くの人を救わんとする 慈悲の心に
長く住まわせる力を持つ
ゆえにこの経には 無量の功徳があり
慈悲なきものにも 慈悲の心を起こさせ
煩悩を滅して忍耐強く精進し 悟りの道に入らせ
仏所護念(ぶっしょごねん)なる
昔より仏に抱かれ守られてきた自分を知るのだ

天から花びらが降りそそぎ あたりは清浄に包まれた