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しきたり雑考(38)

占いと呪い

今月は「「占いと呪い」」についてお話し致します。
(常光徹説参考)

占いで最も素朴なものは、履いている下駄や草履などを投げ出し、
その履物が裏だと雨が降るし、表だと晴れだという占いがありました。
そんなことを子どもの頃、何度もしたのを覚えています。

呪いで思い出すのは、明日雨が降らないようにと
「てるてる坊主」を作って、軒先に掛けたことです。

占いと呪いはどこが違うのでしょう。
調べてみると、占いは現れた徴(しるし)や結果から、
人の運勢や物事の吉凶を判断することです。

下駄を投げて、表が出たとか裏が出たとかの結果によって
天気を占うということです。

呪いは、超越的な力を使って、ある願いを果たそうとする行いで、
呪文とか呪具などを使います。てるてる坊主などは、
呪具ととらえることができるかもしれません。

占いには星占いや手相、人相、
またトランプや水晶で占うこともあります。
これらは本当に人の運勢を当てるものかは定かではありませんが、
良くない運勢は、陰徳を積むことで、良い方向へと転換できる、
あるいは、その悪い運勢を消し去ることができると言われています。

占いには石占(いしうら)とか夕占(ゆうけ)、
橋占(はしうら)など、あまり聞かない占いもあります。

たとえば石占は、神社に置いてある石を持ち上げて、
軽ければ願いが叶うけれど、重いとかなわないと占うようです。

橋占は、橋を往来する人の話し声を聞いて
将来の吉凶を判断する方法です。
「ささやき橋」という橋がありますが、その名の由来は、
この橋占から来ているようです。

呪いは儀式をして行う場合や、個人的に行う場合があります。
干ばつの時の雨乞いは神式あるいは仏式で、導師の呪文をいただき、
関係者が集まって行います。

個人的には、たとえば悪い風邪がはやった時は、
戸口にニンニクをつるしておくとよいとか、
イボは雷の鳴ったとき箒(ほうき)で掃くと落ちるとも言われています。

これらのことは、日々の暮らしに災いが起きず、
いつも幸せに暮らしたいという人びとの願いから来ていると考えられます。

とにかく、自分にとってプラスに使っていくことす。

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