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仏事の心構え(142)

仏像の見方について 22 地蔵菩薩3

今月は「地蔵菩薩」の3回目です。

今回は六地蔵様を詳しく見ていきます。

1、地獄 大定智悲地蔵(だいじょうちひじぞう)

地獄で救う地蔵様です。

左手に宝珠を持ち、右手に錫丈を持つ。
一般的には、このお地蔵様がよく見られます。

先月お話いたしましたが錫丈は、慈悲を持って人びとを守ると書きましたが、
この場合、錫丈を持って六道を巡り歩き、苦しんでいる人を救う仕事をしています。

2、餓鬼 大徳清浄地蔵(だいとくしょうじょうじぞう)

左手に宝珠を持ち、右手に与願印(よがんいん)を結んでいます。
与願印は右手を挙げて手を開き、前にかざしている姿です。
願いをかなえてくれる印です。

3、畜生 大光明地蔵(だいこうみょうじぞう)

左手に宝珠、右手に如意を持っています。

如意は思いのままという意味ですから、
これも願いをかなえてくれる力のあるものです。

4、修羅 清浄無垢地蔵(しょうじょうむくじぞう)

左手に宝珠で右手に梵篋(ぼんきょう)を持っています。
この梵篋は、経典の一つで、箱に入っているように見えるものです。

5、人間 大清浄地蔵(だいしょうじょうじぞう)

左手に宝珠を持ち、右手に施無畏印(せむいいん)をしています。
右手の手のひらを前にして下に垂れています。人の恐れをなくす力を持っています。

この人間は、この世の人びとが住む世界にみえますが、
そうではなく、あの世の比較的善なる人が集まっているところです。

6、天上 大堅固地蔵(だいけんごじぞう)

左手に宝珠、右手に経巻を持っています。経巻はお経の本です。
天にいる人びとは、喜んで学ぶ人が多いのでしょう。