仏事の心構え(124)
仏像の見方について 4 如来2
今月は「如来」の2回目です。
先月は光背のことをお話しいたしましたが、他に如来の姿にはさまざまあって、
それを三十二相・八十種好(しゅこう)で表現しています。
それは偉人の特徴をさまざまな形で表しているのです。
三十二相は大きな特徴で、八十種好は細かい特徴を表しています。
一般的に、目に見える範囲での仏像の特徴をあげてみましょう。
まず、顔の特徴として点のようなホクロのようなものが眉間(みけん)にあります。
これは菩薩にもありますが、白豪相(びゃくごうそう)というものです。
この相は、白い毛が右回りに渦を巻いて、それが丸く見えるのです。
一般の仏像では、そんな細かい表現はなく、私のお寺の如来の白豪相はダイヤで、
他の如来は水晶であったり、陶器のようなものがはめ込まれています。
この白豪相から、如来が人々を救くおうとするときに、
その毛が伸びて光を放つというのです。
ある経典には、そこから光が発せられ、
別の世界が虚空に映し出されると書いてあるものもあって、
神通力の象徴のようなものかもしれません。前世を見たり、霊的世界を見る力です。
また頭は一般の髪ではなくて、らほつ相になっています。
字が難しいのでひらがなで書きますが、
小さな巻貝(まきがい)をたくさん並べたような頭になっているのです。
このらほつは髪が右回りにそれぞれ小さく巻いてあるのが特徴です。
偉人の特徴なのでしょう。
また頭のてっぺんが盛り上がっています。
これを肉髻相(にっけいそう)といいます。
髪を結っているのではなくて、頭そのものが盛り上がっているようです。
如来の中でも大日如来はこのような頭の姿をしていなくて、
菩薩のように髪があり王冠をかぶっています。
私のお寺の本尊様も王冠をかぶっていますが、如来であるお釈迦様です。
この如来は禅宗寺院に多いようで、宝冠釈迦如来とか華厳釈迦如来といいます。
王冠をかぶることで、さらに人々の救済力を増す表現をしているようです。