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お釈迦様の生涯

釈尊の願い(109)

イラスト・山中一正

王の我心―がしん―

釈迦国の多くの人たちは
若い仏陀に従わなかったように
王であるジュッドーダナも
息子であるゴータマが仏陀となったことに
素直には従えなかった

そこで仏陀は多くの奇跡を起こして
みんなを従わせたという

特に王の我執を取り除かせるために
弟子の一人であるモッガッラーナ(目連)を
王のもとえ使わせた
モッガッラーナは仏陀の十代弟子の一人で
神通力が第一であるとされていた
モッガッラーナは王のもとで
王の我(が)の心を取り除くために奇跡を起こし
王の真実を見る目を取り戻させた

モッガッラーナは王のもとにいくと
王の前で清浄心の境地に入り
王の前から姿を消し 虚空に舞い上がった
そして空中に立ち歩き坐し伏して
次に五色の光を放った

また頭上に水を出し足下に火を放ち
さまざまな奇跡を起こして
王の前に再び姿を現した

この奇跡を見た王は
仏陀の弟子はみなこのような奇跡を起こせるのか
とモッガッラーナに尋ねた
彼は語った
仏陀の弟子はみな徳高く
前世を見 天上と地獄を見 煩悩を滅し尽くし
奇跡を起こすことみな自在ですと

これを聞いた王は
すみやかに我(が)の心が消え
仏陀を信じる心を得た